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サルサ

Salsa なぜ日本人がサルサにはまるのか
*** なぜ日本人がサルサにはまるのか

五・七・五や三三七拍子のリズムに慣れ親しんだ日本人の一部に、なぜサルサという複雑かつ濃厚なペアダンスにどっぷりとはまる人々が存在しうるのか、この音楽の魅力、いや魔力にとりつかれたことのない方にはなかなか理解しにく
いことかもしれません。

まずサルサには、西アフリカから奴隷船でカリブの島々に連れてこられた黒人たちの十八番である太鼓のリズムが綿々と生きています。西アフリカの諸民族はあらゆる楽器で「会話」する伝統を持っており、中でも太鼓の種類の多様さに
は目を見張るものがあります。

それに支配層であったスペイン人たちが運んだ、ヨーロッパ産の楽器や豊かなメロディーラインが加わりました。さらに、ニューヨークやマイアミに移り住んだ数知れないカリブ出身のミュージシャンやダンサーたちが、己の生活とプライドを
かけてサルサを一流のダンス音楽へと磨き上げました。

サルサとは様々な民族の歴史と文化を煮込んだ「ソース」のこと。この地球規模といえる民族音楽の見事な結合が、人種を軽々と飛び越えて私たちを酔わしめるのです。

また、ラテン人といえば一般に「陽気で底抜けに明るい」というイメージが定着していますが、少なくともサルサ音楽に関してそれでは全てを説明したことにはなりません。

フラメンコに「ラメント(嘆き節)」が欠かせないように、サルサから哀しみのスパイスを奪ったとしたらいかほど魅力がそがれることでしょう。日本人は、サルサの底辺をそこはかとなく流れる物悲しいメロディーに、それこそ聴き慣れた歌謡曲に似た胸しめつけられるような郷愁を覚えたりもするのです。

さらに学校教育の場において日本人が「日本人らしいダンス」から引き裂かれてしまっていることも、サルサ人気と無関係ではないと思います。

例えば私たちは小学生時代、体育の時間や運動会でオクラホマ・ミキサーを踊りましたよね。地元の盆踊りさえもおぼつかない子供になぜにアメリカのフォークダンスがあてがわれるのか、不思議に思いませんか?ここではじめて異性の手を握る窮地にたたされ、それこそ「手に汗握った」記憶がよみがえる方も少なくないはずです。

こういった「ルーツなきダンス」で恥ずかしさの記憶がすりこまれた日本人(特に男性)には、一度は「ダンスだけは勘弁してくれ」と思った方も少なくないことでしょう。でも年齢を経て、子供時代半ば強制的に躍らされたのとは別種の、音楽に身を任せる自然な欲求がふつふつと湧いてくる。

そんなときに、呼吸するように自然にリズムと一体化するラテン人のダンスに出会い、音楽とダンスで自己を解放する欲望に気づかされる。幼いころに少なくともダンスの面で幸福な体験をしている確率が少ない分だけ、日本人には身の丈にあったダンス文化を渇望する人が、潜在的に少なくないのではないでしょうか。

その欲求が、浅草山社祭に向く人もあれば、駅のホームでのヒップホップ練習に向く人もある。サルサが大好きになるのもそれとまったく同じ理由です。幸いサルサはクラブに行けば毎日でも初対面のパートナーを誘って楽しむことができます。

クラブやレッスンで無数の出会いがあるのが、サルサのよいところ。レッスンに出れば、言葉を交わしたことすらない異性と手のひらを合わせ、ステップをああでもないこうでもないと相談しあい、いつのまにか戦友のような親近感を覚えることができます。

クラブは、ダンスとファッションの両面で日々の努力が試される正念場。通常男性が女性の美を言葉や目くばせで誉める文化がない日本において、サルサクラブは数少ない「女性の努力が報いられる」場となっています。クラブに来慣れた男性も、ストリートキッズとは別種のファッションを堂々試す楽しみを存分に味わっているわけです。


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